24 7月 2024

ボイトレ＆ボーカル・レシピ集｜その・３０「カラオケのリズムに負けないで乗っていく」

今回もシンプルなお話です。前回の縦軸と横軸のお話でも書きましたが、カラオケ愛好家の皆さんはじめ、皆さんとかく音程には注意を持ちますが、符割りやリズムにはそうでもない方が実に多い。まず1小節の頭頭、１・２・３・４で数えて１にあたるところですその位置の音（言葉の一音）をしっかり歌うこと、これが当たり前のようで疎かになっていることが多々あります。何でもかんでも“強く”というのは表現が違うと思うので私は“しっかり”という言い方をします。頭頭は“しっかり”発してまず間違いありませんし、歌い出しは特にそうです。で、頭頭でリズムに乗っていくのです。これはカラオケのリズムと相まってどんどん乗っていく感じになるのでちょっと意識していけばいい感じに音をつかまえていけると思います。

では次に比較的年配のカラオケ愛好家の方に多いのですが（上手な方でも）、頭でしか乗れない方が意外と多い。音符（符割り）には音楽用語でシンコペーションというのがあって、ひとつ前からどーんと音符がはじまる、ミュージシャン用語では“食う”といいます。これはカラオケのリズムに負けちゃダメなんですね、頭頭を感じながら前からどーんといく（笑）。カラオケ（演奏）は1拍目に、ほぼ必ずドラムのバスドラ（ドラムの一番低いドンという音）が入っていますので、どうしてもその音に合わせてしまいます。先ほど話した頭頭で乗っていくと相反することを言ってるかと思いますが、シンコペーションで来た場合は頭を感じながら、前から音を発します＝その後の母音が頭になる。

また1拍目のちょっと前からメロディが始まられるのも苦手な方が多いですね、特にリズムの裏の音符から始まるとご年配の方はほぼ全滅です。なので作曲をする時点でその曲のニーズに合わせて、その辺りをしっかり頭に入れて作ることが大切です。演歌歌謡曲系はまず表表のリズムで行かないとダメ。世代が少し若めのポップス系の曲であれば、ちょっとおしゃれに裏のリズムを使った符割りにするとそこがカッコいいよねって感じになる。でも勘違いしないでほしいのはどちらも良いんですよ、表表も力強くてカッコいいし、裏が入ってくるのもお洒落でカッコいい。問題はセンスです（笑）。

ちょっとお話が作曲の方に及びましたが、私が八代亜紀さんの50周年に提供させていただいた「ワタシウタ」のサビのラストの裏から入る2拍3連はほぼ皆さんご自分なりの作曲で歌われますね（笑）カッコよく歌われたのは八代亜紀さんだけです。もしかしたら他の演歌の大御所の方でも歌えないのではと思います（笑）。

３月に八代亜紀さんの「お別れの会」に参列させていただきました。ご本人の前に献花させていただき、改めて「ありがとうございました」とお伝えさせていただきました。心からご冥福をお祈りさせていただきます。「本当にありがとうございました」

ボイトレ＆ボーカル・レシピ集

その１「楽しい」がすべての原動力」ボイトレ＆ボーカル・レシピ集｜その１ | カタヤマケイジ Official Website (k-katayama.com)

その２「可能性にフタをしないで」ボイトレ＆ボーカル・レシピ集｜その２ | カタヤマケイジ Official Website (k-katayama.com)

その３「歌詞とキャラの一致性」ボイトレ＆ボーカル・レシピ集｜その３ | カタヤマケイジ Official Website (k-katayama.com)

その４「一日一練」ボイトレ＆ボーカル・レシピ集｜その４ | カタヤマケイジ Official Website (k-katayama.com)

その５「母と子の物語」ボイトレ＆ボーカル・レシピ集｜その５ | カタヤマケイジ Official Website (k-katayama.com)

その６「母と子の物語・続き」ボイトレ＆ボーカル・レシピ集｜その６ | カタヤマケイジ Official Website (k-katayama.com)

その７「ＭＣの苦手な人集まれ」ボイトレ＆ボーカル・レシピ集｜その７ | カタヤマケイジ Official Website (k-katayama.com)

その８「お酒と喉の話とか・・」「喉は生もの」ボイトレ＆ボーカル・レシピ集｜その８ | カタヤマケイジ Official Website (k-katayama.com)

その９「終わり良ければ全て良し」ボイトレ＆ボーカル・レシピ集｜その９ | カタヤマケイジ Official Website (k-katayama.com)